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【光る君へ】#27 まひろと「道長ご落胤」を育てるつもりの宣孝、権力者に恩を売って立場は安泰、万々歳

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やっぱりの「不義の子」を授かる展開😅

 NHK大河ドラマ「光る君へ」第27回「宿縁の命」が7/14に放送された。時は999年(長保元年)というスリーナインイヤー。前回妄想をグダグダ書いたが、やっぱりのW不倫、そして不義の子誕生という、不倫現場の石山寺のX公式アカウントも取り乱す展開になった。

 まずはドラマの公式サイトからあらすじを引用する。

(27)宿縁の命

初回放送日:2024年7月14日

石山寺でばったり出会ったまひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)。思い出話に花を咲かせるうちにふたりは…。そして季節がかわり、道長の娘・彰子(見上愛)が入内し、その6日後に定子(高畑充希)は皇子を出産。一条天皇(塩野瑛久)の気持ちはますます定子と皇子へと傾く。道長は晴明(ユースケ・サンタマリア)に相談を持ち掛けると、とんでもない提案をされる。一方、まひろは懐妊が発覚し、宣孝(佐々木蔵之介)は喜ぶが…((27)宿縁の命 - 大河ドラマ「光る君へ」 - NHK

 前回の終わり、まひろがひとり祈りを捧げる場所へと、道長が月光をバックに入ってきた。そこから2週間のお預けを経て、2人は再会。「殿がまた来てくれるようにお願いする」と彼女は石山寺参詣の目的をいとや乙丸に告げていたが、石山寺の御仏のご意思が向けられた「殿」は、宣孝ではなく道長だった。

 この人智が及ばない決定に対して、人間が逆らおうとするのは無理と言うもの。そうでしょう?不義だのなんだの、人間の尺度で文句なんか言えないよ、御仏のご意思なんだから・・・という設定だ。

 始めこそ落ち着いた会話を交わしていたかに見えた、まひろと道長だったが、道長側の思いはダダ漏れだった。彼の言葉を拾ってみる。

  • 大水と地震で、屋敷がやられたであろう。あの辺りは痛手が大きかったゆえ、案じておった。(まひろがいつも心配なんだね)
  • やらねばならぬことが山積みゆえ。手に余ることばかり次々と起こって、その度にまひろに試されているのやも・・・と思う。(まひろに話を寄せてきた)
  • ほう~すぐ怒るのは相変わらずだな。(懐かしいね)
  • 謝るな。それしきのことで腹は立てぬ。(相変わらず心が広い)
  • 1度だけお前に腹を立てたことがあったな。今、そのことを考えたであろう?(まひろの表情をよく見ているね)

 この後、まひろが「偉くおなりになって、人の心が読めるようになられたのですね」などと、とぼけたことを言い出した。それに対して、道長はビシッと返した。

  • 偉くなったからではない。(万感のまなざしを向ける。おお~)

 道長は、まひろへの思いが深いから、まひろの心が読めただけだ。まひろも己のトンチンカンに気づき、押し黙った。そして、越前行きの話が進み、道長はこう言って、まひろと見つめ合った。

  • 戻ってきて良かった。

 ここで踏みとどまろうと判断したか、まひろは「供の者たちと参りましたので、もう戻らねばなりませぬ」「お目にかかれてうれしゅうございました」「お健やかに」と道長に別れを告げた。彼も「引き留めて済まなかった」「お前もな」と、一旦は受け入れた。

 が・・・道長は、まひろに吸い寄せられるように駆け戻ってきちゃったもんね・・・泣きそうな顔をして。無言で互いに向かって走り出す2人。こうなったら誰も2人を止められない。映像はスローモーション、BGMも最高潮だ。

 この時の副音声が攻めている。NHKなんだよ?

副音声:見つめ合う2人。互いに駆け出す。抱きしめ合う。まひろを見つめ、頬に触れる。指先で唇をなぞり、唇で塞ぐ。身を委ねるまひろ。

 真実の思いは、口からの言葉が途絶えてからじゃないと出てこなかったんだね。几帳に囲まれた、ほの暗い道長の参籠所で2人は一夜を共にする。もう、いつもの廃邸という訳にもいかないから、設定としてはお寺の中だ。それだけ、御仏の縁結びのご意思に適っていた訳だ。

 しかし、まるで少女漫画の世界だ。権力の頂に立つ人物から、密かに愛され続けているヒロインなんて理想的じゃんね。

 石山寺公式Xの反応も面白かったので、貼り付けさせていただく。

 誤字が発生する程の慌てぶり。その後、気を取り直して

・・・と、つぶやいておられた。困惑しても致し方なしとも思うが、昔からお寺さんは男女の出会いの場ではなかったの?ドラマにおいて肝心な場面の現場になったという事で、どうぞご容赦を!と、いちファンからもお願いしておく。

 そういえば、道長との会話の中で、まひろは今後に向けて大切なことを言った。

まひろ:越前には美しい紙があります。私も、いつかあんな美しい紙に歌や物語を書いてみたいです。

 その時期は、そろそろ近付いているのかな。

宣孝は心が広い?ちゃっかりじゃないの?

 まひろは道長の腕の中で、こう聞かれた。

道長:今一度、俺の傍で生きることを考えぬか?

まひろ:お気持ち嬉しゅうございます。でも・・・。

道長:俺は、また振られたのか?(小さく微笑み、体を寄せ合う)

 この、まひろの煮え切らない回答が、ちょっとわからない。なぜ、この期に及んでまひろは道長の申し出を受け入れなかったのだろう。

 環境の変化を嫌ったのだろうか。以前のように、やっぱり嫡妻倫子様のことを考えたか。それとも、この時点ではほぼ見捨てられた状態だったにもかかわらず、夫の宣孝に望みを懸けていたのだろうか?

 それで道長は、まひろのためを考え、宣孝に大きな役目を回したんだろうなあ・・・2つも。そうとしか思えない。

 「まひろを疎かにするでない」という左大臣の気持ちを受け取った宣孝は、己の行動を考え直したのかもしれない。それで、またまひろの下へとノコノコやって来た。そう見える。

 何だかな・・・どうもちゃっかりしていて、宣孝に腹が立つ。

いと:(まひろ宅にやってきた宣孝を見て)まっ!殿様!

宣孝:ああ。いと、久しぶりじゃのう。まひろのご機嫌はどうじゃ?

いと:お寂しそうにされておりましたよ。

宣孝:(嬉しそうに)そうかそうか。(まひろの居所へ足早に移動、鴨居に烏帽子をぶつける)イタ!

まひろ:ああ!お帰りなさいませ。

宣孝:喜べ!11月に行われる賀茂の臨時祭にて神楽の人長を務めることとなった。

まひろ:おめでとうございます。

宣孝:その後、宇佐八幡宮への奉幣使として豊前にも参る。

まひろ:11月はお忙しくなりますね。重いお役目を2つも。

宣孝:それもこれも左大臣様のお計らいだ。まひろのお陰で俺も大事にされておるのだよ。ハハハハハ!人生、何が幸いするか分からぬところが面白いのう。オホホホホホホホ!

 宣孝がまひろに「左大臣道長に見限られた女」であるかのような憎まれ口を叩き、お返しに灰を投げつけられてから、しばらくぶりの会話だ。たぶん数か月~半年近く、間が開いただろうか。

 道長の計らいで重いお役目を2つも仰せつからなかったら、宣孝はまひろの下へ戻って来てはいなかったよね。

 宣孝は、道長がまだまひろに思いがあると知り、道長政権下でまひろを妻としていることの価値を再確認したはずだ。「まひろを放っておいたら左大臣様に睨まれる」と考え、また来ることにした。はー、ちゃっかりしてるよ。

 だからね・・・まひろが懐妊を告げ、別れを切り出した場面の宣孝の反応に、巷のようには感動できなかった。私の中では、全然宣孝の株も上がっていない。全力でご機嫌を取り始めたな・・・としか思ってない。

宣孝:(夕餉の席。箸を置いたまひろを見て)口に合わぬか。まひろのために求めてきた鮎であるぞ。いかがいたした?

まひろ:実は、子ができました。

宣孝:なんと・・・おお、この年でまた子ができるとは。いつ生まれるのじゃ?

まひろ:恐らく今年の暮れに。

宣孝:暮れか。今年は忙しい年になるな。ああ、暮れはまだ奉幣使として豊前におるゆえ、傍にいてやれぬが良い子を産めよ。ハハハハ。

(夜)

まひろの心の声:よく気の回るこの人が気づいていないはずはない。(宣孝の寝顔を眺め、縁に出る。雲に影る月)気づいていて、あえて黙っている夫に「この子はあなたの子ではない」と言うのは無礼過ぎる。さりとて、このまま黙っているのも更に罪深い。(部屋に戻る)

宣孝:(鼾をかいている。息が止まり、苦しそうに目覚める)はっ!いかがいたした?また気分でも悪いのか?

まひろ:いえ、大事ございませぬ。

宣孝:ああ、良かった良かった。眠ってる間は気分の悪さも忘れるゆえ、早く寝よ。

まひろ:はい・・・。

宣孝:わしが背中をさすってやるゆえ。

まひろ:勿体ないことにございます(声が震える)。

宣孝:勿体ないことはなかろう。俺たちは夫婦だぞ。

まひろ:(意を決したように)殿・・・お別れしとうございます。

宣孝:・・・このような夜更けに、そのような話はよせ。

まひろ:この子は私ひとりで育てます。

宣孝:何を申すか。そなたの産む子は誰の子でもわしの子だ。(驚くまひろ)一緒に育てよう。それで良いではないか。わしと育てるのは嫌なのか?

まひろ:いいえ、そのような・・・。

宣孝:わしのお前への思いは、そのようなことで揺るぎはせぬ。何が起きようとも、お前を失うよりは良い。その子を慈しんで育てれば、左大臣様は益々わしを大事にしてくださろう。この子は、わしに福を呼ぶ子やもしれぬ持ちつ持たれつじゃ。

(まひろの手を取り)一緒になる時、お前は言った。私は不実な女であると。お互い様ゆえ、それで良いとわしは答えた。それはこういうことでもあったのだ。

まひろ:殿・・・(泣きそう)

宣孝:別れるなぞと、二度と申すな。(優しく微笑む。まひろも、潤んだ瞳で微笑む)

 会話を見返してみても、まひろの未熟な若さ、純情な生真面目さが宣孝に大いに利用されているようにしか見えない。宣孝が救世主に見えているんだろうな。

 まひろは、宣孝の足が遠のいた時期に不義の子を懐妊したことを、悩みながらも宣孝に告げた。勘の良い宣孝ならわかるはずだと思いながら、いつ頃生まれるかを誤魔化さずに言ったのだった。不義の子だから自分1人で育てようと、宣孝に別れも切り出した。

 話題になっているのは、その後の宣孝の言葉だ。「そなたの産む子は、誰の子でもわしの子だ」と。

 それについて「何と心の広い」系の称賛する向きが多いのだが・・・宣孝の、揺るぎないまひろへの思いの中身って何だ?「何が起きようともお前を失うよりは良い」って、だったら何で半年近くも放っておいて平気だったのだ?矛盾してる。

 道長に促されたからこそ、宣孝はしれっとやってきた。まひろの懐妊についても、それこそ勘の良い宣孝は「はは~ん、薄々そんな事だろうと思った」と計算していただろう。

 まひろは政権トップにいる左大臣の恋人だと、宣孝は重々分かっている。それが目の付け所だと白状している。「まひろのお陰で俺も大事にされておるのだよ」と。そこに道長の子まで加わるのだ。つまり、道長に対して「人質」が増えたようなものだ。新たに恩を売れるお役目が増えたというか、ね。

 だから実のところ、まひろの懐妊については宣孝は万々歳。道長様が権力の座にいる限り、俺は安泰だー!だよね。

 まひろを賢いトロフィーワイフとして自慢して回る人間だということは、これまでの彼の言動にも見えていた。道長のご落胤がプラスされて更にまひろの価値は上がり、ますます手放せなくなった。宣孝は悪人とまでは言わないが、損得勘定に生きるタイプだと思う。

 まひろ、宣孝に対して遠慮したりすることはないよ。

道長=綱吉、まひろ=染子、宣孝=吉保みたい

 宣孝のケースは珍しくない。殿の大っぴらにできない恋人とご落胤を陰で匿い育てる家来の話なんて五万と聞く。例えば後の世だが、宣孝の立場は徳川5代将軍綱吉の側用人・柳沢吉保みたいだ。

 吉保の長男は飯塚染子が産んだ柳沢吉里だが、綱吉が、柳沢吉保邸の染子に通ってできた子が吉里だという説がある。つまりご落胤説だ。(柳沢吉里 - Wikipedia

 大河ドラマだと、「元禄繚乱」で高橋一生が演じていた柳沢吉里を憶えている。ご落胤そのものではなく、誤解に翻弄される話だったような・・・。そして、吉里とその母染子を世話する柳沢吉保は、綱吉に重用されて出世した。

 宣孝も、左大臣の恋人とご落胤を庇護する代わりに、旨味をたっぷり享受するつもりだろう。父に似て生真面目なまひろは、不実な自分を宣孝が受け入れてくれたとホッとして目も潤んだのだろうが・・・人が良過ぎる。

 それにしても、睡眠中の宣孝について、まひろが喜々として書き記していた言葉が気になった。

殿の癖。いつも顎を上げて話す。お酒を飲んで寝ると時々息が止まる。

 書きながらも宣孝の息が止まる様子が聞こえ、まひろは微笑んだ・・・微笑んでいる場合じゃないけどね。こちらの方が、このまま黙っていたら罪深い。

 今回、無呼吸症候群に見える中の人の秀逸なイビキ演技がたびたび見られたが、宣孝はそうやって病死するのか。悪乗りし過ぎて、道長周辺に消される訳じゃないらしい。

悲しき中宮、女院様

 ドラマでは今回、赤ちゃんが2人生まれた。定子が一条帝の皇子を産み、まひろが道長の娘を産んだ。(そういえば、倫子様も道長の何人目かの子を宿していた。)定子の子は目がクリクリ。いったいどこで、こんなに似ている新生児をNHKは調達してくるんだろうといつも思う。

 次回は、そろそろ主要キャラが死ぬ時期を迎えそうだ。

 皇子を産んだばかりの定子は、清少納言の肩を借りて弱々しく息をしていた。同じ産後のまひろの様子とは大きく異なる。それなのに、妹が横たわる床の前で、権力への執念全開の伊周。そのために妹がこんなにも苦しんできたのに。

 人を生かすも殺すも、その人を支えている人に真の気持ちが有るか無いかだと最近思う。その意味で、定子は清少納言に命の糸をつないでもらったが、今回危うくなったのが道長の姉・東三条院詮子なのかもしれない。

詮子:皇子様のご誕生、まことにおめでとうございます。

一条帝:ありがとうございます。

詮子:皇子様はいずれ東宮となられる身。お上のように優れた男子に育っていただかねばなりませぬ。

一条帝:朕は皇子が私(朕?)のようになることを望みませぬ。

詮子:え?

一条帝:朕は己を優れた帝だとも思ってはおりませぬ。

詮子:なんと・・・私が手塩にかけてお育て申し上げたお上です。優れた帝でないはずはございませぬ。

一条帝:朕は中宮ひとり、幸せにはできぬのですよ。

詮子:それは、そもそもあちらの家が・・・。

一条帝:朕は、母上の仰せのまま生きて参りました。そして今、公卿たちに後ろ指をさされる帝になっております。

詮子:ですからそれは、伊周らが悪いのです。中宮も、お上のご寵愛を笠に着て、いい気になり過ぎたのですよ。決してお上のせいではございませぬ。

一条帝:こたびも母上の仰せのまま、左大臣の娘を女御といたしました。されど、朕が女御を愛おしむことはありますまい。

詮子:いいかげんに、中宮に気をお遣いになるのはおよしなさいませ。

一条帝:(大声で)そういう母上から逃れたくて、朕は中宮に救いを求めのめり込んでいったのです。全てはあなたのせいなのですよ!(言い過ぎたかと目を泳がせ、立ち上がって去ろうとする)

詮子:(かすれた声で)お待ちください!・・・お上はそのようにこの母を見ておられたのですか。

一条帝:はい。

詮子:私がどれだけ・・・どれだけつらい思いで生きてきたか・・・私が・・・(涙声)

一条帝:もうお帰り下さいませ。

詮子:私は父の操り人形で、政の道具で、それゆえ私は・・・

一条帝:(詮子に振り返って)朕も・・・母上の操り人形でした。父上から愛でられなかった母上の、慰み者でございました。

詮子:(涙を流しながら、かぶりを振って)そのような・・・私は・・・

一条帝:女御の顔を見て参ります。母上のお顔を立てねばなりませぬゆえ。(奥に去っていく)

詮子:(ひとり残され、とめどなく涙を流す)

 演じる吉田羊が、両目に涙をいっぱい貯め、ぽろぽろと泣いていた。円融帝に振り返ってもらえなかった彼女が、歯を食いしばって育ててきたのが一条帝。遅い反抗期のような苛立った言葉にあまり翻弄されないでほしいが、詮子は大きなショックを受けていた。

 生きる縁(よすが)までが断ち切られてしまったと、彼女は感じていそうだ。一条帝の八つ当たりにも見えるが、ただ、境界線を越えて、踏み込まない方が良いことまで彼女は息子に言ってしまった。遠慮というか、尊重が無さ過ぎた。

 女院様としていつも何事も思いのまま。人をコントロールして支配するばかりで、恋も知らず、他者を尊重する塩梅が分からないのかな。

 新たな操り人形という事では、道長の娘・彰子がそうだろう(操り人形どころか、生贄だった)。11/1に入内したばかりで、この日11/7に新女御となった12歳に対して、一条帝がまた辛辣だ。女院との会話を引きずり、心が毛羽立っていそうだ。やめてほしいなー、八つ当たりは。

一条帝:そなたのように幼き姫に、このような年寄りで済まぬな。楽しく暮らしてくれれば朕も嬉しい。

 なんちゅうイヤミ。一条帝は20歳前後。年寄りだなんて言われて、どう返すのが正解か悩ましい。彰子は「はい」としか言えず、道長は顔をしかめたが、致し方ない。彰子のせいじゃない。

猫がいるじゃないか

 彰子の入内前、倫子様と赤染衛門が花嫁教育に知恵を絞っていた。書も和歌も、そして下から上へと帝を見上げるシナの作り方、閨房での心得まで。一通りのことは赤染衛門が教えたものの、倫子様はこう言った。

倫子:勉学は要らないわ。何かこう、華やかな艶が欲しいの。みんなが振り返るような明るさが。(略)入内して目立たなければ死んだも同然。みんなの注目を集める后でなければならないのよ。衛門、我が家の命運が懸かっているの。力を貸しておくれ。あの子が興味を持つようなことは、何かないかしら?

 まずは声を出して笑ってくれないと困ると倫子様は考えていたが・・・華やかで艶があって、皆を簡単に笑顔にする存在が、彰子の身近にいる。猫だよ、猫!愛らしくて黒猫なんてツヤツヤだよ!一条帝と言えば、猫じゃないの~命婦のおとどはどこに?

 前回ブログにも引用した年表によると、999年の9/19には内裏の猫が子を産んだ。産養もあり、乳母は馬命婦とも記録がある。

 昔、倫子様が可愛がっていた小麻呂に代わり、最近は黒白にゃんこが赤い紐につながれてご出演。彰子もなでなでしていた。清少納言が「猫は、うへのかぎり黒くて、腹いと白き」が良いと枕草子に書いた猫そのままのような姿だった。

 この猫が、猫好きの一条帝を惹きつけ彰子を救うはず・・・源氏物語の出番が無くなったら困るな。

(ほぼ敬称略)


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